ふるさと納税と医療費控除との併用は控除額と確定申告に要注意!住宅ローン控除など他の控除との同時申請や併用しない場合のメリットなども解説

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おかねアンサー編集部

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ふるさと納税と医療費控除を併用した場合、いったいいくらまでなら自己負担額を超えることなく控除を受けられるのか気になる方も多いのではないでしょうか? この記事を読んでいただくことで、ふるさと納税と他の控除を併用した場合に起こりうる影響や、申請方法について知ることに役立ちます。ぜひ最後までご覧ください。

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1. ふるさと納税と医療費控除は両方一緒に申請できる

ふるさと納税と医療費控除は確定申告を行うことで両方一緒に申請することは可能です。確定申告時にふるさと納税および医療費控除に該当する項目を記載し、必要書類を添付して提出を行います。

ただし医療費控除を利用することで、ふるさと納税で控除が可能な上限額が減少するため注意が必要です。以下で詳しく解説します。

2. ふるさと納税で一定の限度額まで所得税と住民税が控除

ふるさと納税は都道府県・市区町村に寄付を行うと、自己負担額2,000円を超えた部分について一定の限度額まで所得税・住民税が控除される制度です。

申し込みは電話やFAXなどで直接申し込む方法や、専用サイトや楽天市場などのインターネットを使った方法があります。

寄付自体はいくらでも行うことが可能ですが、ふるさと納税は本来納める必要がある税金に対して控除を行う制度であるため、納めるべき税金以上の控除を受けることは当然できません。

住民税は「基本分」と「特例分」に分けられ、限度額は以下のとおりです。

  • 所得税…総所得金額の40%が限度
  • 住民税(基本分)…総所得金額の30%が限度
  • 住民税(特例分)…所得割額の20%が限度
参考:総務省|ふるさと納税のしくみ

3. ふるさと納税と医療費控除を併用する場合の注意点・影響(2018年分)

2018年時点での ふるさと納税と医療費控除を併用した場合の注意点・影響として「寄付金額で損をする」「ワンストップ特例が利用できない」の2点が挙げられます。以下で詳しく解説します。

ふるさと納税と医療費控除を併用する場合の注意点①:寄付金額で損をする

ふるさと納税で上限額いっぱいまで寄付をしたい場合、医療費控除と併用すると寄付金額で損をする可能性があります。

まずは所得税・住民税を計算するときにふるさと納税と医療費控除がどこに影響するのか、計算方法を確認しましょう。

  • ①所得=収入-給与所得控除
  • ②課税所得=所得-各種所得控除
  • ③所得税額・住民税所得額=課税所得×税率

ふるさと納税は③で算出した所得税額・住民税所得額に対して控除を行う制度になり、医療費控除は②の計算部分にある「各種所得控除」の一種です。

つまり医療費控除で課税所得が減少すると、ふるさと納税での寄付金控除額の上限も小さくなります。

医療費控除は、1世帯の1年間で支払った医療費の合計から保険金などの金額を差し引いた金額が10万円を超えた場合に200万円を上限に控除が受けられる制度です。

体外受精や不妊治療、子どもの歯の矯正なども医療費控除の対象になるため、医療費が多い年もあるでしょう。ふるさと納税でのメリットを最大に活かしたいのであれば、各種控除額を差し引いて計算を行ってみてから寄付額を決定すべきです。

寄付金控除額の上限の計算・年収別シミュレーション例

寄付金控除額の上限は年収によって変動します。計算方法を基に上限額がいくらになるのか実際にシミュレーションしてみましょう。寄付金控除上限額の計算式は以下のとおりです。

  • 控除上限額=(個人住民税所得割額×20%)÷{100%-住民税の税率(10%)-(所得税率×復興税率))+2,000円

なお、大まかな目安で良いのであれば先述した「総務省|ふるさと納税のしくみ」のリンク先より年収や家族構成によるふるさと納税額の上限の目安を知ることができます。

例えば、年収400万円で夫婦共働きの場合は42,000円が上限になり、年収700万円の夫婦であれば86,000円が上限になります。

この目安額は、医療費控除などの対象者が限定されている控除は計算に含まれていないため、医療費控除を利用する場合は先述した目安額より上限金額は低く見積もる必要があります。

ふるさと納税と医療費控除を併用する場合の注意点②:年末調整不可のためワンストップ特例(申告不要)が無効に

ふるさと納税と医療費控除を併用した場合、年末調整では処理ができないため確定申告を行う必要があります。そのため、ワンストップ特例(申告不要)を利用できません。

ワンストップ特例とは2015年4から利用できるようになった制度です。年間で5自治体までは必要書類を返送するだけで「ふるさと納税分」の確定申告をせずに手続きが完了します。

ワンストップ特例でふるさと納税を行う場合、所得税からの控除は発生せずに翌年に納める住民税の減額という形で控除が行われます。

本来であればワンストップ特例を利用すれば確定申告を行う必要がないのですが、医療費控除を受けるためには申告が必要です。仮にワンストップ特例を申し込んでいる中で確定申告を行った場合、特例が無効になってしまうため注意しましょう。

参考:総務省|制度改正について

4. セルフメディケ―ション税制はどうか?

2017年から始まったセルフメディケ―ション税制についても同様です。セルフメディケ―ション税制も医療費控除と同様に所得控除の一種であるため、 控除を受けて課税所得が減ればふるさと納税での寄付金控除額の上限も小さくなります。

ちなみに、セルフメディケ―ション税制とは特定医薬品の購入にかかった金額が年間12,000円を超えた場合、88,000円を上限に所得控除を受けることができる制度です。

参考:厚生労働省|セルフメディケ―ション税制について

5. ふるさと納税と医療費控除の減税分はいつの年度の税金から控除されるか?

ふるさと納税と医療費控除の減税分は、所得税・住民税でいつの年度の税金が控除されるのか異なります。

まず所得税は、実際にふるさと納税をおこなった年度や医療費控除を受けた年度に適用されます。確定申告で払い過ぎた税金が還付されます。次に住民税ですが、住民税は前年の所得を基に今年の税額が決定するため、次年度にかかる住民税が減額される形で控除されます。

住民税が昨年度と比べていくら安くなっているのかは、自治体から届く住民税課税決定通知書の「市民税」「県民税」欄を確認することでわかります。

6. ふるさと納税と医療費控除の併用しない場合のメリット・得

ふるさと納税と医療費控除を併用しない場合のメリットとしては、ふるさと納税の寄付金控除額いっぱいまで寄付が可能であることです。寄付金を限度額内に抑えることができれば、自己負担額2,000円のみでふるさと納税を行うことができます。

また、ふるさと納税のみであればワンストップ特例を利用することで確定申告をする手間を省くことができます。

サラリーマンなど一般の会社員や年金受給者の人であれば確定申告をする機会が少ないため手間に感じてしまう人もいるでしょう。そのような人であれば、不慣れな手続きを省略できるメリットがあるといえます。

7. 他の控除・制度がふるさと納税へ与える影響

医療費控除以外の控除や制度も、ふるさと納税に影響を与える場合があります。以下に挙げる4つの方法がふるさと納税にどのような影響を与えるのか詳しく解説します。

①:住宅ローン控除

住宅ローン控除もふるさと納税と併用できますが、住宅ローン減税額が大きいとふるさと納税のメリットが十分に受けられない可能性があります。

住宅ローン控除は「年末時点の住宅ローン残高×1%」で計算された金額のうち、一般住宅なら40万円、認定長期優良住宅なら50万円を上限に控除が受けられる制度です。もし、住宅ローン控除額が所得税よりも大きい場合は住民税部分から13万6,500円を上限に控除を行います。

ふるさと納税は所得税・住民税ともに控除が受けられる制度のため、併用することで控除額が一部減ってしまう場合があります。

②:保険料控除

保険料控除も医療費控除と同様、課税所得が減少することで所得税額・住民税所得額が下がるため、ふるさと納税で控除が可能な上限額も合わせて減少します。

保険料控除とは、自分で生命保険や医療保険、介護保険に加入して保険料を支払っている人を対象にした控除で、支払金額に応じて最大12万円の控除が受けられる制度です。

参考:国税庁|No.1140生命保険料控除

③:扶養控除

扶養控除も 医療費控除や保険料控除と同様、課税所得が減少することによって所得税額・住民税所得額が下がるため、ふるさと納税で控除が可能な上限額も合わせて減少します。

扶養控除とは、納税者本人に扶養親族がいる場合に受けられる控除です。控除額は扶養親族の年齢によって変動し、最大で63万円の控除が受けられる制度です。

ちなみに、夫婦共働きであって妻が育休や産休のため会社を休んでいた場合、妻の給与収入(出産一時金や育児休業給付金は収入に含める必要がないため除く)が一定額以下であれば夫の扶養に入れることができる場合があります。

すると、夫は配偶者(特別)控除も受けることができるため、ふるさと納税で控除が可能な上限額がさらに減少します。

参考:国税庁|No.1180扶養控除

④:iDeCo(イデコ)

iDeCo(イデコ)を利用する場合についても、他の控除同様にふるさと納税での控除が可能な上限額は減少します。

iDeCoは、掛金全額が「小規模企業共済掛金控除」として所得から控除されます。そのため、掛金が大きければ大きいほどふるさと納税の控除額に影響がでます。

参考:No.1135小規模企業共済等掛金控除

8. ふるさと納税と医療費控除を同時申請するときの確定申告の手続き方法・やり方

ふるさと納税と医療費控除は確定申告で同時申請することが可能ということは先述したとおりです。ここからは、確定申告に必要や書類や手続き方法、やり方について解説します。

必要書類・書き方・記入例

まずは確定申告で使用する必要書類と書き方、記入例を解説します。主な必要書類は以下のとおりです。

①すべての人が対象

  • 利用者識別番号等の通知もしくは利用者識別番号が分かる書類
  • マイナンバーカード(ない場合は通知カードと運転免許証などの身元確認書類)
  • 税金の還付を受ける預貯金口座
  • 印鑑
  • 源泉徴収票

②ふるさと納税を受ける際に必要なもの

  • 寄付先の自治体が発行した「寄付金受領証明書」

③医療費控除を受ける際に必要なもの

  • 医療費控除の明細書

明細書を作成するためには、医療費通知(医療費のお知らせなど)があればそれを添付する必要があります。ない場合は、医療費の領収書を基に明細書を作成する必要があるので、領収書は無くさないように保管しておきましょう。

参考:国税庁|確定申告の際にご持参いただくもの

確定申告で使用する書類は、税務署や国税庁のホームページから取得できます。印刷して手書きで作成するか、確定申告の専用サイトを使って画面の案内に従って必要項目を入力して作成します。

確定申告の記載例については以下のリンク先からご確認ください。

国税庁|確定申告書の記載例

確定申告書の税務署への提出方法

確定申告書を最寄りの税務署へ提出する方法は「郵送」と「e-Taxを利用する」の2種類です。以下で詳しく解説します。

郵送

作成した確定申告書を印刷し必要書類を添付し郵送する方法です。管轄の税務署に直接持参もできます。

自宅にプリンターがない場合でも、コンビニエンスストアのプリントサービスを利用して印刷することが可能です。後述する方法より印刷・郵送にかかる手間は発生しますが、申告に慣れないうちはこちらの方法を利用しましょう。

電子申告(e-Tax)

提出方法のもう一つは電子申告(e-Tax)を利用する方法です。電子申告とは、確定申告の専用サイトで作成した書類をネット経由で送付ができるサービスです。郵送する方法と比較すると、印刷~郵送までの手間を省けるほか、一部の提出書類が省略できるメリットがあります。

しかし、利用するにあたり電子証明書の取得に必要な「ICカードリーダー」を購入・設定する必要があるなど、事前の準備に手間が生じます。

参考:国税庁|e-Tax・事前準備の流れ

確定申告の期限(いつまでに申告が必要か)

確定申告はいつまでに申告が必要かというと、原則翌年の2月16日から3月15日までの間が期限になります。

確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間に得た所得が税金の計算対象です。申告期限が近づくと税務署の混雑や対応が遅れることも考えられるため、翌年の1月に入った時点で申告書を作成しておくなど、早いうちに準備・提出しておきましょう。記載内容に誤りがあって訂正に時間がかかり、期限に間に合わなかったといった失敗を未然に防ぐことができます。

確定申告を忘れた場合(翌年さかのぼることは可能)

万が一確定申告を忘れた場合や申告書に書いた税額に誤りがあった場合、過去5年前までさかのぼって所得税の更正の請求手続きをすることが可能です。申請方法も確定申告とほとんど同じです。

ただし、2つ以上の場所から給与所得を受け取っている場合など、必ず確定申告をしなければならない人は3月15日までに確実に申告が必要です。

まとめて申告を行った方が手続きの手間を省くことができるため、自分が還付申告のみの対象なのか確定申告が必要なのか今一度確認してみましょう。

参考:国税庁|所得税及び復興特別所得税の更生の請求手続き

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